世界中のいたる所で普及している缶飲料。コーヒー、紅茶、炭酸飲料、果汁ジュースにアルコール飲料まで。
それらの飲料が入れられた缶にスチール缶とアルミ缶があることはご存じかと思いますが、それらの飲料缶にどのような違いがあるのかご説明いたします。
スチール缶
特徴
スチール缶の原料はずばり鉄(スチール)です。鉄はアルミに比べ硬く、融点がアルミより3倍以上高いという特徴が挙げられます。ちなみに車のボディや建物を支える骨組みに使われているのが鉄です。その事からも熱に強くしっかりとした素材であることが分かります。
強度や熱に強いという特徴を利用し、スチール缶が使用されている飲み物は高温高圧をかける殺菌処理が必要なものが多いです。
余談になりますが、液体は温度によって体積が変わります。なので、スチール缶に適した高温のまま封がされる飲み物の内容量はml(ミリリットル)ではなくg(グラム)で表記されていることが多いようです。
コスト
スチール缶の生産コストについてですが、鉄の相場はアルミに比べると安価ですが、アルミより重たく輸送コストがかかってしまう、アルミより硬いために加工コストもかかってしまうという側面もあります。
最近のスチール缶
スチール缶の飲料は鉄臭いという感想を聞くことがありますが、現在は表面にコーティングを施すことによって有機成分の溶出を抑えるなど、味が変わるのを防ぐ技術も開発されています。またアルミ缶のように薄くて柔らかいスチール缶も登場してきています。