浄化槽の撤去について   160秒解説

2023.05.17

ブログ | 解体の知識

浄化槽とは??

浄化槽は、一般家庭などから排出される「汚水」を処理技術や微生物の力を使って衛生的なレベルまで処理し、河川などに排水する装置です。具体的には、キッチンやトイレなどからの生活排水や汚水を浄化し、環境への負荷を最小限に抑える役割を果たします。下水道が整備されている地域では、浄化槽は必要ありません。しかし、全国の約18%程度の地域では下水道の整備が不十分であり、浄化槽が必要とされています。浄化槽は建物の地下に埋設されることが多く、目にする機会は少ないかもしれませんが、私たちの生活には欠かせない装置です。


浄化槽の種類は大きく分けて二つ

単独浄化槽

単独浄化槽は、主にトイレの汚水を処理するために使用されるため、「みなし浄化槽」とも呼ばれます。しかし、時代の変化に伴い、河川や海洋の汚染原因はトイレの汚水だけでなく、他の生活用水(風呂・洗濯・キッチンなど)も関与するようになりました。その結果、単独浄化槽への需要は低下しました。浄化水法の改正により、2001年4月1日以降は単独浄化槽の新設が禁止されています。


合併処理浄化槽

合併処理浄化槽は、トイレの汚水だけでなく、お風呂やキッチンなどさまざまな場所から排出される生活用水の処理が可能です。浄化槽法の改正により、現在は新たに設置する浄化槽としては合併処理浄化槽が一般的です。合併処理浄化槽は単独浄化槽と比較して処理能力が高く、生活用水の汚れを約10分の1程度に減少させることができます。


解体撤去方法

全撤去

「全撤去」とは、浄化槽内の汚水だけでなく、部材や装置などのすべてを撤去する方法です。この方法では、汚水や機器の一部が地中に残る心配はなく、不法投棄のリスクもありません。撤去後はいつでも土地の売却が可能となります。全撤去は作業量が増えるため、埋め戻しや埋め殺しに比べて費用は高くなりますが、将来的に土地の売却を考えている場合は、少々の費用がかかっても全撤去を選ぶことで安心感を得ることができます。


埋め戻し

「埋め戻し」とは、浄化槽の本体のうち約3分の1を解体し、残りの部分を地中に埋める撤去方法です。この方法では、汚水だけでなく不要な部材や装置も取り除かれます。埋め戻しは全撤去に比べて費用を抑えることができ、作業も比較的容易です。しかし、本体の一部が地中に残るため、一時的な解決策になります。また、土地を売却する際には全撤去が必要とされるため、費用と作業が二度かかってしまいます。汚水を残したまま地中に埋めることは不法投棄と見なされる可能性があるため、注意が必要です。


埋め殺し

「埋め殺し」とは、浄化槽内の汚水は取り除きますが、部材や装置はそのまま地中に埋める撤去方法です。この方法では作業量が少なく、コストを抑えることができますが、本体はそのまま地中に残るため、一時的な解決策になります。将来的に土地を売却する場合は、埋め戻しと同様に全撤去が必要です。また、汚水を残したまま地中に埋めることは、埋め戻しと同様に不法投棄と判断される可能性があるため、注意が必要です。


解体撤去費用

通常、住宅の解体工事においては、浄化槽の撤去も同時に行われることが一般的です。例えば、5人槽から7人槽程度のサイズのFRP製浄化槽の場合、解体・撤去費用として約3万円から6万円程度が住宅の解体費用に追加されることがあります。

浄化槽の単独撤去も可能であり、その場合の費用は約5万円から10万円程度であり、やや割高になることがあります。ただし、具体的な金額は周辺環境や設置されている浄化槽の種類やサイズによって異なるため、個別の見積もりが必要です。同様に、住宅の解体工事と同じく、撤去費用もこれらの要素によって金額が変動することに留意してください。


補助金制度の活用も

一部の自治体では、浄化槽の解体・撤去に対して補助金を提供している場合もあります。お住まいの自治体でも浄化槽の解体・撤去に関する補助制度があるかどうかを調査し、必要な条件を満たしているかを確認してみることをおすすめします。

 

関連記事

アスベスト撤去費用について

カーポートの撤去工事はどうすれば? 60秒解説

お取り扱い店舗