元素記号「Pb」
鉛(なまり)英語表記では「lead」
鉛は非常に便利な金属でありながら、人体に有害であり取り扱いにくいといった側面を持ち合わせた金属です。鉛のメリットデメリット、どういった使用用途があるのかを以下でご紹介させていただきます。
鉛の特徴
メリット
加工がしやすい
鉛は金属の中でも柔らかい分類でなおかつ融点が327.5℃と金属としては低い融点を保つため加工が行いやすい金属です。
密度が高い
鉛は密度が高い金属としても知られており11.4という比重を持ちます。鉄の比重が7.8なので比較すると鉄の1.5倍ほど重い事がわかります。密度が高い事を利用した使用用途が生まれます。
安価である
鉛自体の埋蔵量は、それほど多いとは言えませんが、鍛造などが比較的容易な為、他の金属と比べると安価だといえます。
デメリット
有毒性がある
鉛は前述したように、人体に有害な金属です。有毒性が高く血中鉛濃度が高くなると人体に悪影響を及ぼします。また人体だけではなく、動物にも悪影響を与えます。
鉛の代表的な用途
バッテリー
鉛の主な用途としてバッテリーがあげられます。鉛が安価である事と、比較的高い電圧を取り出せるので今でも車両用のバッテリーに使用されています。
ハンダの原料
身近な鉛用途としては、ハンダがあげられます。基盤に電子部品を張り付ける際に使用されるハンダは鉛とスズの合金が使用されています。
放射線遮断材
鉛は放射線の遮断材としても使用されています。鉛は密度が高いため、放射線を遮る効果もあります。レントゲンを撮る際に使用するエプロンは「鉛エプロン」と呼ばれる物です。
まとめ
鉛は、加工がしやすく安価であり密度が高いといった理由で様々な場所で利用されている金属です。しかしマイナスな面として毒性があるので現在では使用される場所が減ってきている事も事実です。昔は水道管やバルブなどでも鉛が含まれた合金を使用していましたが、現在は鉛を含まない合金(ビスマス砲金、エコブラスなど)または、銅、鉄などに代わっています。