元素記号はAl
英語表記で aluminum
アルミニウムは、非鉄金属の中で最も広く使われる材料です。他の鉄系金属材料にはない独自の特徴が多くあり、多岐にわたる用途に適しています。今回はアルミニウムについてご紹介させていただきます。
アルミニウムの特性
軽量性
アルミニウムは比重が約2.7であり、これは鋼材の約3分の1の軽さにあたります。
高い強度
アルミニウムは他の金属を合金化することで、比強度(単位密度あたりの引張強度)を向上させることができます。特に、亜鉛やマグネシウムを添加し、熱処理を行った7000番系の合金は非常に優れた強度を持ちます。
容易な加工性
アルミニウムは多様な方法で加工することができます。その延性の高さから塑性加工に適しており、低い融点と良好な流動性から鋳造にも適しています。また、切削加工や溶接も容易です。
容易な再生性
アルミニウムは長期間使用しても劣化しにくく、低い融点を持つため、使用後の製品を容易にリサイクルすることができます。リサイクルする際には鉱石からアルミニウムを生産する場合のわずか3%のエネルギーしか必要とせず、それにもかかわらずリサイクル品の品質は新品とほぼ同等です。
優れた耐食性
アルミニウムは酸素と容易に反応し、その表面には非常に密な酸化皮膜が形成されます。この酸化皮膜は保護層として機能し、腐食を防止します。そのため、アルミニウムは優れた耐食性を持ちます。
優れた熱伝導性
アルミニウムは鉄の約3倍の熱伝導率を持っています。そのため、熱を効率的に伝えることができます。
優れた電気伝導性
アルミニウムは、同じ重さの銅と比較して約2倍の電流を伝えることができます。
非磁性
アルミニウムは非磁性体であり、周囲の磁場に影響を受けません。また、他の非磁性体である金や銀、銅に比べて安価で経済的な利点もあります。
耐低温性
アルミニウムは液体窒素(-196℃)や液体酸素(-183℃)などの極低温下でも強度の低下がほとんど見られず、むしろ強度が増加する性質を持っています。
無毒性
アルミニウムは食品との反応性が低く、体内に取り込まれてもほとんどが排出されます。また、土壌への害もほとんどありません。
反射性の高さ
アルミニウムは赤外線、紫外線、電磁波などを効果的に反射する性質を持っています。純度を高めたり、鏡面加工を施したりすることで、反射率をさらに向上させることも可能です。
身の回りにあるアルミニウム
アルミ缶
車のボディー
タイヤのアルミ製ホイール
フライパン・鍋
門扉やドア
窓のサッシ
まとめ
アルミニウムは様々な優れた特性を持つ金属で非鉄金属の中で広く使用されています。優れた特徴が多いので他の金属を混ぜ合わせ合金としても使用される事が多く、皆さんが思っているよりも様々のものに使用されています。