地中に埋まっている杭は抜くべき?杭抜き(くいぬき)工事について 200秒解説

2023.05.15

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杭(くい)とは

杭とは地中に埋まっている建物を支える為に地中の支持層といわれる部分まで埋まっている棒状の物をいいます。この杭は地盤が緩い土地や、土地の上に立っている建築物の都合上浅い基礎だけでは、建築物をしっかり支えきれないと判断された際に打ち込まれます。杭を打つことにより頑丈な支持層と建物を繋ぎ建物の強度を上げる事ができます、これを支持杭といいます。 支持層がとても深い位置にある場合は支持層に杭をとどける事が難しい為、支持杭よりも短い摩擦杭を打ち込む事もあります。すべての建築物に杭を打ち込む杭基礎工事が必要という事ではなく、地盤の状況や他に考えられる理由により、杭の必要性が変わります。


杭抜き工事とは

杭抜き工事とは、建物を支える為に地中に打ち込まれていた杭を抜く工事の事を指します。土地の上に立っている建物を解体した際に行われる事が多い工事となります。ですが杭抜き工事は、解体した建物の地中に杭が打ち込まれている場合必ず行わなければならない工事というわけではありません。杭を残しておく選択肢もありえます。杭を抜く場合と残しておく場合は、建物を解体した後の土地をどのように活用方法又は、残された後の杭が法律上どのような扱いなるかによってかわります。


地中に埋まっている杭の選択肢は3つ

建物の解体後地中に埋まっている杭に対しての選択肢は3つあります。

「杭抜き工事を行う」、「杭をカットする」、「杭のそのままにしておく」

 


杭抜き工事を行う

解体工事後に更地にしてから杭抜き工事を行います。基本「杭抜き工事」は解体工事とは違う分野の工事を行う事になりますので、別途業者に依頼して工事を行う必要があります。その為費用が高額になってしまう事があります。

 


杭をカットする

解体後、杭をカットするという選択肢もあります。杭を完全に抜いてしまうより費用を抑える事が可能となります。杭の数により杭抜き費用は変わりますので杭抜き工事を行いたいが費用面を考えると行えない場合は杭をカット処理するのも一つの方法です。カットを行った場合でも、杭は地中に残ってしまうので土地の価値は落ちてしまうデメリットがあります。

 


杭のそのままにしておく

杭を抜く必要が無ければ「杭抜き工事」をせず杭を残しておくことも一つの手です。杭抜き工事にはある程度の費用がかかりますので、土地の売買予定が無く行政に杭をそのままにしておいても良いか確認をした結果、杭を抜く必要がなかった場合はそのままにしておくことでコストを大幅に減らすことができます。しかし杭をそのままにしておくと地盤沈下などのトラブルが発生する可能性もありえます。また行政に確認を行わず杭をそのままにしておくとトラブルに発展する事が多いので、杭をそのまま埋めたままにする場合は必ずあらかじめ杭を残して置いても良いのか確認を行いましょう。

 


杭抜き工事は必要なのか?

前述したとおり、地中に埋まっている杭を抜く必要性は建物を解体した後の土地をどのように活用するかによって決まります。建物を解体した後の土地を売却予定の場合は、杭を抜く事が一般的です。土地を購入した新しい土地の所有者が新築の建物を建てる場合、地中に埋まったままの杭が建設工事の邪魔になってしまう可能性がります。そういった理由で新しい土地の所有者に不利益が生じてしまう可能性がある為、一般的に解体工事を行った後に土地を売却予定の場合は杭抜き工事を行います。杭を抜かなった場合、新しく土地の所有者になる者の不利益になる可能性が多きい為、土地の価値も落ちてしまう場合があります。

更に杭を抜かない場合は、行政に確認を行う必要があります。建物の解体を行うまで建物を支えていた杭ですが、建物が無くなってしまうと法的な解釈では産業廃棄物扱いなってしまう可能性があり、私有地であっても産業廃棄物を残しておく事が禁止されている為、杭抜き工事を行わなければなりません。違反した場合は罰金が科せられる可能性があります。

 

杭抜き工事はケースバイケース

杭抜き工事は解体工事を行った後の土地活用方法によってかわります。更に法律の観点から必ず抜く必要がある場合もあります。

杭抜き工事の費用は高額になってしまう可能性が高い為、土地の活用方法に合わせメリットデメリットを考慮してから杭抜き工事を行うのか行わないのか決定しましょう、行わない場合は必ず行政への確認を忘れずに行ってください。


杭抜き工事費用について

地中に埋まっている杭を引き抜く作業にかかる費用は、一本あたりの価格設定に基づいて計算されます。一般的には単価×杭の本数で計算されます。

杭の引き抜きには特殊な重機を使用することが多いため、杭抜き費用は高額になることがあります。ただし、杭の種類や引き抜く条件などによって業者間で価格に大きな差があるため、見積もりの段階で確認する必要があります。

 

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