解体工事は屋外作業になる為、様々な要因で工期が後ろ倒しになる可能性があります。工期が遅れてしまう事がある事を事前に把握しておき、解体後の土地の売却や家屋の建て替えスケジュールに余裕を持たせる事が重要です。
解体工期が伸びてしまう主な要因4選
①天候不良
解体工事は屋外で行われる工事の為、天候によって工期が伸びてしまう可能性があります。解体工事は基本的に雨の日でもメリットがあるので工事は決行されることが多いです。安全を確保する事が難しいほどの雨が降る場合、工事は中断されます。風の強い状況では、解体工事による廃材や粉塵が風によって飛散してしまう可能性がありますので、安全を確保するためには風が収まるまで作業を中断する必要があります。同様に、雪の降る地域においては12月から3月に解体工事を行う場合、降雪によって作業が中断されることや、除雪作業によって工期が延びる可能性が高まります。これらの自然条件による制約は解体工事の計画立案や工期管理に大きな影響を与えます。特に風や雪の影響が予想される地域では、作業中断や工期の延長を考慮し、計画段階から十分余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
②自然災害
突発的な災害として地震や竜巻が発生した場合、作業は当然中止となります。これらの自然災害は予測が難しく、いつ発生するかは予測できません。作業員の安全を最優先に考えるため、災害が治まるまでの間は工事を進めることは困難です。特に地震や竜巻は建物や構造物に重大な影響を及ぼす可能性があります。地震の揺れや竜巻の強風は作業員や周囲の人々に危険をもたらす恐れがありますので、警戒速報や避難速報が発令される時には、即座に作業を中断し避難する必要があります。大雨による警戒速報が発令される場合も同様です。豪雨によって土砂災害や浸水などのリスクが高まる場合は、作業現場での安全が脅かされる可能性があります。そのため、適切な安全対策を講じるためにも、大雨による警戒速報が発令される時には作業を中止し、安全を確保する必要があります。
③地中埋設物の発見
解体工事中に地中に埋設された物体が発見された場合、工事は一時中断する必要があります。埋設物の撤去が比較的容易なものであれば、工期に大きな影響はありません。しかし、大規模な埋設物が発見された場合は、解体工事を一時中断しなければなりません。大きな埋設物の場合、その撤去には追加の作業や専門知識、機材が必要となることがあります。解体工事を継続する前に、埋設物の適切な処理方法の検討が必要です。
④クレームが発生した場合
解体工事には避けられない振動、騒音、および粉塵が発生することがあります。
粉塵については、作業現場に水をかけたり、養生シートを使用するなどの対策を行うことである程度抑えることができます。これにより、周囲への粉塵の飛散を最小限に抑える努力がなされます。一方、振動や騒音については完全にゼロにすることは難しいです。近隣住民の方々には、ある程度の理解が求められることになります。ただし、振動や騒音が過度に大きい場合、近隣住民からクレームが寄せられる可能性もあります。クレームなどの対応で工事が止まったり、工事を行える時間が見込みよりも制限され工期が伸びてしまうことがあります。適切な振動制御や騒音対策を実施し、周辺環境との調和を図ることが重要です。また、施主様とのコミュニケーションを通じて、近隣住民の要望や特別な日程に柔軟に対応することも求められます。
まとめ
解体工事は様々な要因で工期遅延が起こる可能性があり、解体後にその土地を使うもしくは売却する予定がある場合は、余裕を持ったスケジュールを組む必要があります。