グラスウールとロックウールは安全なの?? 100秒解説

2023.05.18

ブログ | 解体の知識

建物の断熱材としてよく使われているグラスウール・ロックウールですが、当然建物を解体する場合でもよく目にする事があります。グラスウールやロックウールは繊維状の素材で発がん性のあるアスベストと見た目が似ている為よく混同されてしまう素材です。そんなグラスウールやロックウールは安全なのかまたどのような特徴を持った素材なのかをご紹介させていただきます。


グラスウール・ロックウールとは?

グラスウール

グラスウールは、高温でガラスを溶かし、ミクロン単位の細い繊維にして綿状にした材料です。主成分はリサイクルガラスであり。繊維が絡み合って空気層を作り、熱の移動を抑制することで断熱性能を発揮します。 また音や振動の遮断も得意で、吸音性や防振性にも優れています。 住宅用の断熱材や空調ダクト、保温・保冷材など幅広い用途で使われています。

※グラスウールは微細なガラスで出来ている為、手に刺さります。素手での扱いは危険です。


ロックウール

ロックウールは人工的に作られる鉱物繊維の一種です。原料は鉄の製造過程で生成される「高炉スラグ」や、玄武岩などの「天然岩石」であり、これらを1,500〜1,600°Cの高温で溶かし、強力な遠心力で繊維状に加工します。原料の溶融温度が高いため、ロックウール自体も熱や火に対して強い特性を持っています。

またリサイクルが出来る事もロックウールの強みです。

 


グラスウールやロックウールは有害なの??

グラスウールやロックウールにはアスベストのような発がん性は認められておらず健康被害も報告されていません。 グラスウールとロックウールの製造過程では、接着剤としてフェノール樹脂を使用することがあります。このため、微量のホルムアルデヒドが材料内部に残留する場合がありますが、その量は非常に微小なため、一般的には問題とされません。

 

一部アスベストを含んだロックウールも存在しています。約1990年代以前に使用されていた「吹付けロックウール」「一部のカラー制吹付けロックウール」「ロックウール吸音天井板」にはアスベストが含まれている物があり注意が必要です。


まとめ

ロックウールとグラスウールは両方とも人工的に作られた繊維で綿状に成形されていることが特徴です。両者は断熱性、耐熱性、吸音性などの優れた特性を持ち、断熱材、不燃材、吸音材として広く利用されています。特に耐熱性能に関しては、建築基準法で「不燃材料」として国に認定されるほど優れた建材です。また、両方の材料はアスベストのような健康被害を引き起こすリスクが低く、安全性が高く評価されています。

 

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