解体工事で出た廃材はどうなるの?解体の廃材(木材) 140秒解説

2023.05.26

ブログ | 解体の知識

解体工事を行うと必ずコンクリートや木材、鉄くずなどの廃棄物が生まれます。こういった廃棄物は法律により適切な処分を行う事が義務付けられています。解体後の廃棄物はどの様に処分、リサイクルされているのか今回は解体で出る廃棄物の木材についてご紹介させていただきます。

建築リサイクル法 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」

解体工事で出た特定の建築資材は建築リサイクル法により分別され再資源化を行う事が義務付けられています。

建築リサイクル法の目的

正式な名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」であり、この法律は2000年5月31日に制定されました。

この法律は、解体工事などで生じる廃棄物の最終処分場の混雑、不法投棄、不適切な処理などの問題を解決する為、そして廃棄物の再資源化を促進することを目的としています。

建築リサイクル法 特定資材

コンクリート

コンクリート及び鉄から成る建設資材

木材

アスファルト・コンクリート

対象となる工事

・床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事

・床面積の合計が500㎡以上の建築物の新築工事または増築工事

・工事にかかる請負代金が1億円以上の建築物の新築、増築、解体以外の工事

・工事にかかる請負代金が500万円以上の工作物の解体工事または新築工事

 


搬出された木材

解体工事で生まれた廃棄物の木材は建築リサイクル法で定められた特定資材にあたりますので、一般的な産業廃棄物のように処分する事は出来ません。再資源化を行える処分場に運搬されリサイクル(再資源化)を行い処分が完了した事になります。

 

リサイクル(再資源化)

木くずは産業廃棄物の中で再利用率が比較的高く、全体の75%が再利用されています。木材の再利用方法は様々であり、例えば小さく砕いてチップ化したり、木質燃料として利用したり、堆肥化させたりすることができます。

主なリサイクル方法

チップ化

チップとは、木材を細かく砕いたものであり、紙の材料として使用したり、断熱性や吸音性のある建材として利用したりすることができます。チップは幅広い用途で利用されており、再利用の方法として最も一般的な方法です。

 


燃料化

建物解体後に発生する建築廃材や、パームヤシ殻などの燃えやすい木材は、RPF(固形再生燃料)として活用されることがあります。これらはセメントの原料として使用されたり、ボイラー施設のバイオマス燃料として利用されることもあります。再利用の方法としては、チップ化に次いで広く利用されています。

 


堆肥化

木材を堆肥化させるなどの方法を通じて再利用することもあります。この方法では、剪定した枝や伐採した木、木の皮であるバークなどが頻繁に再利用されます。さらに、もみ殻のような家畜用施設の敷料として使用される木くずを、家畜が排泄する糞尿や泥と混ぜることで堆肥にする手段も一般的です。


まとめ

今回は解体工事から出た産業廃棄物の木材(木くず)がどのように処分されて再資源化されているのかについてご紹介させていただきました。建築リサイクル法に従い廃棄物の木材をリサイクルすることで廃棄処分される廃棄物が減り資源を再利用できる為、環境に優しい工事を行う事ができます。一部の悪徳業者はこういった法律を守らず廃棄物の不法投棄などを行っています。相見積もりの際に費用が極端に低い見積を出してくる解体業者には要注意が必要です。費用だけに囚われず、法律を遵守する安心できる解体業者を選ぶ事をお勧めします。

 

関連記事

解体工事にも関係している??フロンについて 180秒解説

鉄とは?鉄のリサイクルについて 80秒解説

お取り扱い店舗